2010-04-14 Wed
歴史好きの友人から、「こっちの方が事実に近いのかも」
と示されたのが、
藤沢周平さんの『漆の実のみのる国』
だった。
上杉鷹山の小説というと、童門冬二さんのものを読んだことがあった。20代の頃だ。
己に厳しく、民を想う鷹山の生き方とドラマティックな展開に寝る間も惜しんで読んだ覚えがある。
こんな人物が日本にいたのかと感動した。
2年ほど前、『漆の実のみのる国』を読んでみた。
遅々として進まなかった。
鷹山が進んでも進んでも重い現実に阻まれるし、家臣たちは思うように動かない。
小説として読むなら、どっちが読みやすいかと言えば、童門さんの方なのだが、どっちがリアリティがあって読みでがあるかと言われると、藤沢さんかなぁ。
あとで知ったのだが、『漆の実のみのる国』は著者が執筆途中で亡くなってしまったそうで、「ああ、そうなのか」と腑に落ちた。
読後感が「これで終わっちゃうの?」という終わり方だったからだ。
年を取れば取るほど、人がそれぞれに持つ思惑もわかるし、それでも組織を動かさなくちゃいけない現実もわかる、そして容易には動かないことも。
年齢を重ねると、リアリティがにじむ話の方がなじむ。
現実は甘くない。
自分の力の及ぶ範囲の小ささもわかる。
でも、できることをやる。
格好よくないし、ドラマティックな展開もないがそれしかないんだもん。
そんなところだろうか。
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